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高森明勅
2018.2.23 22:00

加憲「一手詰み」のタネ明かし

安倍首相が力コブを入れている「自衛隊明記」の加憲案。

2月22日、
衆院予算委員会での山尾志桜里議員のたった1つの質問
で、
ロジックとして敢えなく粉砕されてしまった。
僅か一手で即詰み。
どうしてそんな惨めな結果になったのか?

 理由は簡単。

安倍氏は恐らく周囲からからこんな助言を受けたのだろう。
自衛隊明記の加憲案なら、自衛隊は晴れて違憲の疑いを払拭できる
し、
公明党も乗って来やすい。最高の妙案ですよ」と。

安倍氏はそれに飛び付いて、
よく吟味もしないで公表してしまった。

いかにも「素人」丸出し。

ところが国会で首相の答弁原稿を用意するのは官僚たち。

山尾議員の質問主旨を事前に通告された時点で、論理的に
既に詰んでいる」事実を悟った。
このところ劣化が囁(ささや)
かれる官僚でも、
さすがにそれくらいは分かる。
だから、
質問そのものには「沈黙」し、
グダグダ無駄話で時間を塞ぐしかなかった。

普通に考えたら分かるはずだ。

9条2項をそのまま残して、自衛隊を書き込んでみても、
現実の自衛隊の規模や装備などが、
2項で禁止されている「戦力」
に該当すると見られたら、
違憲と判断されて当然。

頭の体操で、仮に自衛隊を今の米軍と同規模にまで拡大して、
それでも憲法に「自衛隊」
と明記しているから合憲!
なんて主張が通用するかどうか。

勿論、通用しない。

ならば今の規模のままならどうか。

それでも「戦力」に該当すると判定する人たちがいて、
現に違憲論を唱えている。

その判定が妥当かどうかではない。

たとえ憲法に自衛隊を明記しても、2項の「戦力不保持」
規定が
残っている限り、違憲論を唱えている人たちが、
にわかに判定を
覆して合憲論に転じるような事は、断じて“ない”
と考えるのが当たり
前。

つまり、自衛隊加憲によって「合憲・違憲」論争に終止符を打つ
などという事は(それ“だけ”
が加憲の目的なのに)、憲法の規範性
そのものを踏みにじらなければ、とても無理。

答弁を用意した官僚たちにはそれが分かっていた。

ゆえに「沈黙」

かくて国会でのやり取りは、見事「一手詰み」となった。

____________________________

「新世代の憲法論

平成30年3月11日(日)午後2時 から
『大阪研修センター 江坂』 にて開催します。

「大阪研修センター 江坂」
(住所:大阪府吹田市江坂町1-13-41 SRビル江坂)は、
JR新大阪駅から地下鉄御堂筋線で4分、または地下鉄梅田駅より9分、
地下鉄御堂筋線『江坂駅』 から徒歩1分です。
「1番出口」から出て、そのまま北へ直進です。


「大阪研修センター 江坂」のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

311日(日曜)14から「ゴー宣道場」が
再び大阪で
開催される。

「関西ゴー宣道場」の特別ゲストは京都大学の若き法学者・

曽我部そがべまさひろ教授である。

テーマは「新世代の憲法論だ。

 

曽我部教授は1974年生まれで、フランス憲法との比較研究

の中で改憲論を論じている。

今までの護憲・改憲の考え方とは一線を引く新しい考え方を

持っておられるようだ。

フランスの「憲法裁判所」(憲法院)の研究にも詳しく、

表現の自由の専門家でもあるという。

 

曽我部教授は言う。

憲法だけを議論するのは短絡的で、関連する法令も

含めてパッケージとして議論すべきだ。
憲法9条も、この先の日本の安全保障や国際貢献のあり方を

論じ、必要に応じて9条なり関係法令なりを変える、

という議論をすべきだ」

我が「ゴー宣道場」の「立憲的改憲」理念と通じている。

 

もちろん山尾志桜里議員も登壇する。

 

参加申し込みの締め切りは228日(水曜)!

憲法学者を呼ぶ「ゴー宣道場」は毎月開催だからすぐに

迫ってくるぞ。

 

さあ、憲法典の文字一つにゴリゴリにこだわって、一文字

でも変えたい、一文字も変えさせてなるかと血まなこになる

悪習を超えて、憲法学の新しい風にも、「ゴー宣道場」は

アドバイスを受けたい!

曽我部そがべまさひろ教授の話に胸を高鳴らせよう!


当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。


参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

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reply@gosen-dojo.com」からのメールを受信できるよう再設定をお願い致します。

「申し込み確認メール」が届かない場合、当選メールも届かない可能性がありますので、
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申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。

当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。
プリントアウトができない方は、当選メールの受信が確認できるもの
(携帯電話、タブレット等)をお持ちの上、ご来場ください。

 道場参加申し込みフォーム

応募〆切 は 平成30年2/28(水) です。

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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